子どもと岡山と

岡山に来て経験したこと。誰かの役に立ったらいいな。

セミの羽化 予想外の展開から学んだこと

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我が家では毎年恒例のセミの羽化の観察。

今年もしました。

きっとあと数回はするだろうな。

 

とても感動的です。

とてもきれいです。

 

まだ羽化を観察したことのない方。

してみたいけどどうしたらいいのか分からない方。

純粋にセミや虫が好きな方。

好きじゃないけどちょっと気になる方。

 

どなたでも大丈夫です!

一緒に挑戦してみましょう。

 

 

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羽化はいつ観察する?

先週あたりからセミの鳴き声をよく聞くようになりました。

そろそろセミの羽化の季節だね。

そんな話をしていたのが週の初め。

 

水曜日。

うちの男子が喜んで帰ってきた。

 

公園でセミの幼虫見つけたよ!

ってすごい興奮してる。

 

だから?

素っ気なく返事をすると、

 

羽化、見よう!

って目を輝かせてる。

 

いやいやいや。

セミの羽化を見るとなると徹夜になるから、学校がある日は無理だよ。

 

そう伝えると、

しぶしぶ。ぶつぶつ。

不満そうに、でも仕方がないって感じで去って行きました。

 

幼虫を捕まえる

金曜日の夕方。

 

セミの幼虫捕まえたよ!

ってまた興奮して帰ってくる。

 

え?!

って驚いてたら、

 

だって明日は休みだから羽化見ていいでしょ?

って。

 

虫のことになるとすごい行動力。

まさか金曜日にさっそくセミの幼虫を見つけられるなんて思わなかったよ。

 

幼虫の見つけ方・捕まえ方

毎年セミがよく来る木の根元。

夏になると直径1~2センチほどの穴が開いているのをよくみませんか?

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セミは木に卵を産み付けて、卵から孵化した幼虫が自分で木から下って土に潜って7年ほど過ごします。そして7年後の夏、土から出てきて羽化して大人のセミになります。

 

地面の穴は土から幼虫が出てきた時の穴。

穴があるってことは幼虫がが出てきた証拠。

でもあるし、これから出てくるところかもしれません。

 

穴が空っぽなら幼虫が出てきた後だけど、

ひと回り小さいギザギザした穴。

これはもしかするとこれから出てくるところかもしれません。

 

覗いてみてください。

見えない時は周りから穴を掘り広げてみてください。

土の中から出ようとして穴を掘っている最中のセミがいるかもしれません。

 

穴を掘っているってことは穴から出ようとしているってこと。

穴から出ようとしてるってことは羽化しようとしてるってこと。

その子を捕まえて羽化を観察しましょう。

 

穴を広げて棒を入れると幼虫が釣れるはずです。

なかなか出てこない時はお尻を棒でつんつんすると歩くみたいです。

 

この方法を使って息子はセミの幼虫を捕まえてきました。

 

いつもは穴から出てきた幼虫が羽化する場所を探して歩いているところを捕まえていたのですが、今回は穴から出てくる前のセミの幼虫を捕まえてきた。

 

新しい体験にウキウキしてる息子。

でも、これが間違いだったのかもしれない。

 

羽化が始まるまで

幼虫は羽化する場所を探し歩きまわります。

木に登ったりして足場がしっかりしたところを見つけると、ぴたっと止まります。

それからほどなくして背中が割れて羽化が始まります。

 

毎年この流れだったのですが、今年は…

 

捕まえたセミの幼虫を家のカーテンの裾の方にくっつけました。

いつもなら上っていくのにその幼虫は全く歩かない。

 

ここで羽化するの?

って思ったけどそうでもない。

 

というか元気がない。

全然歩かない。

 

もう少し遅い時間にならないと羽化しないのかな?

って思ってバケツに土を入れて、羽化用の棒を挿してそこに幼虫を入れました。

 

そしたら潜ってく。

なんだか土に向かっていく。

 

潜りきれないみたいなので、土をかけてあげたら落ち着いた。

…これで少し様子を見よう。

 

しばらくするとまだ土の上にいる。

かけた土はもぞもぞしているうちに落ちたみたいで、体がむき出し。

でも上らない。

 

一体どうしたいんだ?

とりあえずそのままにして見守ることに。

 

ちょくちょく時間をおいて観察しました。

夜(朝?)2時まで続けたけど結局土から出てくる様子はなくその日は就寝。

早起きしてまた見てみよう。

 

なのに朝起きてもやっぱり土の上。

羽化してなかった。

 

羽化失敗しちゃったのかな?

触ってみるとビクッて動いた。

 

よかった。生きてる。

 

いままで幼虫を捕まえてその夜に羽化しなかったことはなかったので驚きです。

 

何がいけなかったのかな?

土が乾いてるから?

殻が乾いて背中が割れなかったのかな?

わからないけど、とりあえず全体に霧吹きをかけて2日目も観察を続行。

 

そして1日目と同じようなことを繰り返して2日目も終了。

2日目も羽化しませんでした。

 

3日目の日曜日。

いままでその日の夜に羽化しなかったことなんてなかったのに、それが2日も続いてる。

全然歩こうとしないし、もしかして弱ってる?

どうしたらいいか分からないので、もう公園の穴に戻そう。

 

息子は羽化を見たがってたけどセミのことが一番大事。

話し合って公園に逃がすことにしました。

 

でも公園に戻したところで無事羽化できるか分からない。

穴は掘っちゃったからもうないし。

他のセミの幼虫が出てきた穴に入れようか?

 

こんなことを話していた日曜の朝。

日中はいろんな子どもたちが公園に来る。

いたずらで掘り起こされたらかわいそうなので、夕方人が少なくなったら逃がしに行くことにしました。

 

羽化をしない原因を調べてみると、

目が黒くない幼虫はまだなので、穴に返しましょう。

って書いてあるサイトを見つけました。

 

うちの幼虫はどうなんだろう?

見てみたけど土をかぶっていて色がよくわからない。

 

そういえば、今まで羽化を観察してきた幼虫たちって体が緑っぽかった気がする。

幼虫の殻の下に、羽化した時の緑の体の色が透けて見えてた気がする。

ヤゴの羽化の時も、体が透けて色が見えてたし。

 

さっそく幼虫の体を見てみると、色が透けてる!

昨日までは茶色かったのになんか緑っぽい!

もしかして今日羽化する?

 

でも弱ってたらかわいそうだし、やっぱり逃がしたほうがいいのかな?

明日からは学校だし、今日羽化みたら絶対学校で眠くなっちゃう。

 

そして夕方。

と言っても7時くらい。最近は7時もまだ明るい。

 

公園に逃がしに行こうと幼虫の入ったバケツを覗いてみると、

 

めっちゃごそごそしてる!

今までにないくらい元気にごそごそしてる。

 

バケツの縁がつるつるして登れないのかな?

止まり木も置いてたけど、バケツの壁を上ろうとして奮闘してるのでとりあえず取り出してカーテンに付けてみた。

 

そしたら上り始めた。

カーテンは足にくっついて上りにくそうだったので、網戸に移してみた。

 

20cmほど歩いて止まった。

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18:56

 

もしかしたらやっと羽化するかも!

 

羽化は時間がかかるのを知っていたのでしばらく放置。

って言っても30分くらい。

 

そして30分後。

背中がわれてもう出てきてる!

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19:24

 

こんなに早いなんてビックリ。

ここからは見逃さないようにじっくり観察しました。

 

私の失敗

ここで失敗に気づきました。

網戸に幼虫をくっつけちゃったから、もう網戸を開けられない。

 

ベランダで干していたカサを取り込めず、セミの背景に移り込んでしまってますが気にしないでください。

 

あとはカーテンも閉められない。

幼虫が見えなくなるし、ぶつかって足が外れちゃったら羽化できなくなるかもしれないから。

外から丸見えだろうなって思いながらも1階じゃないからまあいっか。

 

羽化の経過

羽化は夜にすることがほとんど。

なのであまり明かりを当てない方がいいみたいなんだけど、今日は7時くらいに始まったからまだ周りが明るい。

部屋のライトをつけて観察してもいいかな?

 

羽化に気づいてから2分後。

さっきより少ししっぽの方が出てきてる?

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さらに3分後。

ふにゃふにゃの羽が見えてきた。

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2分後。

小さくたたまれている羽が全部出てきた。

緑のところ。

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1分後。

だいぶ体をそらしてる。

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6分後。

もっと体をそらせて色が濃くなってきた。

羽は白いところが多くなった。

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5~14分後。

まだこの姿勢のまま。

一番右の写真は足を広げててかわいい。

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9分後。

しばらくそったままで動かなかったから目を離してしまった!

気づいたら体をそるのをやめて、羽を伸ばし始めてた。

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5分後。

羽がすっかり伸びて透き通ってきた。

この色がすごいきれい。

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4分後。(右)

比較の為にさっきの写真と並べてみました。

少しだけど羽が伸びて透明化が進んでる。

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9分後(左)とその8分後。

白かったところが全部透明になって、その後しばらくそのまま。

羽を乾かしているのかな。

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9分後。

写真がぶれてしまって見づらいのですが、羽が横に向かって丸くなった。

セミの形になった。

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約30分後。

羽の緑色が少し薄くなった?

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21:02

 

23分後。

変化なし。

羽化してから1時間ほどで羽が乾くらしいので、そろそろいいかな。

でも体がまだ乾いてなかったらいけないのでもう少しこのまま。

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21:25

 

 

35分後。

たぶんこれで完成のはず。

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22:00

 

いつもはセミの羽化は夜10時から深夜1時くらいでした。

そこから乾くのをまって早朝に公園に放していたんですが、

今回はいつもよりずっと早い。

 

このまま早朝まで家の中にいたらお腹すかないかな?

家中飛び回って変な隙間にはさまって出られなくなっても困る。

 

それに娘の眠気もピーク。

うちの娘は小学2年生。

毎年セミの羽化を楽しみにしているんだけど、どうしても寝てしまう。

 

だけど今回はやっと見れた!

だから逃がすところまで見たい!

って、すごい眠そうな顔してるけどなんとか頑張って起きてる。

明日は学校だし、そろそろ限界かな。

 

ってことで、この段階で公園に逃がすことにしました。

 

セミの体が乾いているか心配だったので、試しに体をツンツン。

そしたら逃げるように網戸を這って上ってく。

 

歩けるなら大丈夫でしょ!

 

こうして公園にみんなで逃がしに行きました。

 

セミを逃がす

羽化が始まってから3時間。

完全体になってから1時間たったころ。

 

網戸を這っているセミの前に息子が手を出して、手の上に登らせてセミを捕まえました。

 

セミの横を持ったら潰れてしまいそうな気がしたので、両手で包むようにやさしく持っていざ公園へ。

 

セミの幼虫を見つけた公園の桜の木の枝に優しく付けてあげるとくっついた。

 

しばらく見守って、私たちも帰りました。

 

娘はすっかり満足して、

「もう眠いのなくなっちゃった!」

って言っていたのに、ベッドに入ってすぐに眠ってしまいました。

 

息子も連日の徹夜で寝不足が続いていたので、すぐに寝付きました。

 

これでやっと平和に眠れる。

 

今回の羽化から学んだこと

今回は初めてまだ地面にいるセミの幼虫を捕まえてくるところから始めました。

 

図鑑にはこの捕まえ方が書いてあるので悪い訳ではないと思うのですが、私たちが学んだのは、

 

  • セミの幼虫はもう穴から掘りださない。
  • 目が黒くない幼虫・体の色が透けてない幼虫はまだ羽化しない。
  • ベランダの網戸やカーテンで羽化を見守るときは、予めベランダの物はとりこんでおく。

 

今回のセミの正体

今回のセミクマゼミのオスでした。

岡山はクマゼミが圧倒的に多いので最近はクマゼミの羽化しか見てない気がします。

 

アブラゼミのような羽に模様があるセミの羽化は、模様が浮かび上がるところがとってもきれいです。

これも見たいな。

 

まとめ

とても長くなりましたが、セミの羽化を観察するには

 

0.準備

昼寝をしておく。

 

1.幼虫を捕まえてくる

幼虫がいる穴を見つけるか、這っている幼虫を探す。

目が黒くない子、体の色が透けてない子は戻す。

 

2.足場になるものに掴まらせる

木の枝でもOKですが、ご家庭ならカーテンか網戸がおすすめ。

 

3.ひたすら見守る

足場が崩れると羽化が失敗してしまいます。

羽化の最中は触らないこと。

 

4.羽化が終わったら逃がす

せっかくだから家で育てたい。って思ったけどセミの飼育は難しい。

というか無理みたいです。

お庭があるご家庭なら、庭に放すのもいいかもしれません。

 

基本的にこちらがすることはありません。

セミの様子を見守るだけです。

よかったら挑戦してみてください。