第6の指ができた!ひろったミノムシが可愛いかったので調べてみたら切ない生涯だった
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ミノムシです。
落ちていたので拾ってあげたらくっつきました。
指がもう一本ふえたみたい。
しがみついている姿がなんとも可愛い。
見えるかな?
こんなミノムシが可愛かったので色々調べてみました。
ミノムシとは
お恥ずかしい話ですが、虫好きの息子が生まれるまでミノムシはミノムシと言う虫だと思っていました。
まさかガだったなんて…
ガーン
可愛い姿のミノムシ。
折り紙や毛糸をもじゃもじゃにしてミノムシを工作したり、
誤字をぐしゃぐしゃって黒くして、目を二つ付けてミノムシにしてごまかしたり。
私の中でミノムシはかわいいミノムシでしかなかったんです。
それがまさかあんなに立派なガになるなんて…
ミノムシはガの幼虫で、大きくなるとミノガという種類のガになるそうです。
いくつか種類はあるんですが、よく見かけるのはオオミノガ。
3~4㎝くらいの大きさのガで、それ程大きい訳でもないんですが見た目が立派。
ガらしい見た目です。
色々とふさふさです。
ご興味のある方はこちらをどうぞ。
ミノムシの生態
ガになるって言ったけど、それもちょっと違う…というか驚きの生き様。
調べたら知らないこと・意外なことがいっぱいでした。
ミノムシの一年
ミノムシの寿命は約1年です。
ミノムシが生まれるのは6月ごろ。
お母さんがミノの中で産卵して、20日ほどで孵化します。
ちびミノムシは、口から吐いた糸でお母さんのミノにくっ付きながら、ミノの底の穴から風に乗って外へ飛んでいきます。
落ちたところでせっせとミノを作って、夏はむしゃむしゃ葉っぱを食べまくり脱皮を7回繰り返します。
今回拾ったミノムシもちょうどこの頃だと思います。
周りの木を見てみると、仲間がたくさんぶら下がってました。
ぼやけてますが、背景の葉の近くにある茶色いかたまりは全部ミノムシです。
ミノから頭を出して、体を出して、葉っぱを食べてました。
かなり食欲旺盛です。
なぜか下に落ちてしまっているミノムシもたくさんいました。
拾って壁や木の近くに寄せるとくっ付きます。
かわいい。
拾ってもらえないミノムシは、ヤドカリのようにミノを背負って歩いてました。
これもかわいい。
こんな感じで夏を過ごし、冬になると頭を上にしてミノの中で越冬します。
春(4月下旬~5月上旬ころ)になると頭を下にしてミノの中でサナギになり、一か月ほどで羽化して成虫になります。
この先はオスとメスで違います。
オスは羽化して立派なガになってメスを探しに行きます。
メスは羽化した後もずっとミノの中。
ミノの下から顔を出してフェロモンを出してオスがやってくるのを待ってます。
オスと出合って仲良くなったら1日以内に卵を産みます。
卵の数は3000~4500個くらい。
この繰り返しです。
気づきましたか?
ミノムシは立派なガになるって言ったけど、実はメスはガにならないんです。
なるのかな? ←どっち?(笑)
ミノの中でガになってるのかもしれませんが、メスは一生ミノから出ません。
だから、ミノムシのまま。
ミノムシはミノムシって思ってたけど、あながち間違えじゃなかった!
成虫の体
ミノムシは羽化して成虫になると、びっくりな生態になります。
まずは口。
オスもメスも口がありません。
成虫になると何も食べません。
成虫になる前に摂取した栄養だけで生きているらしい。
ただ繁殖の為だけに生きてるらしい。
オスはメスと出会って仲良くした後は、まもなくして息絶えてしまいます。
さらにかわいそうなのがメス。
口だけでなく、足や羽も退化してありません。
目や触覚もありません。
体の大部分が卵巣という生殖に適したというか、生殖のためだけの構造になっています。
メスはミノから出られないので、オスが来るのをただ待つだけ。
産卵後は体が1/3ほどに縮み、
卵が孵化するころには体が干からびて、ミノの底の穴から落ちて最期を迎えるそうです。
ミノの中で干からびたお母さんの体は、生まれたての赤ちゃんミノムシのミノの材料になることも。
ミノムシがガだったという真実だけでも衝撃なのに、
まさかこんな生態だったとは…
可愛いって思ってたけど、なんだか切ない人生…
寄生虫
そしてさらに切ない事実。
最近は、中国から来たオオミノガヤドリバエに寄生され数が減っているみたいです。
都道府県によっては絶滅危惧種に指定されているところも。
ヤドリバエはミノムシが食べる葉っぱに小さな卵を産みます。
そしてその卵が付いた葉っぱを食べてしまったミノムシのお腹の中で孵化して、ミノムシの体内を食べて成長するそうです。
そしてミノムシのミノの中でサナギになります。
ミノムシのミノを剥いだ時、細長い茶色いカプセルのようなものがいくつかあれば、そのミノムシは寄生されています。
いました。かな?
恐らくもう…。
カプセルのようなものはヤドリバエのサナギらしいです。
多いと1つのミノから100個くらい見つかることもあるそうです。
寄生率は60~90%くらい。
ミノムシの羽化率は1~5%くらいみたいです。
たしかにミノムシって見かけるけど、成虫のガって見ないかも。
みんな寄生されてしまってミノムシのまま大人になれてなかったのかな?
ちなみにこの寄生虫はオオミノガのミノムシにしか寄生しません。
ミノムシは他にもいくつか種類がありますが、被害にあうのはオオミノガだけみたいです。
糸の強度
クモの糸は強いって有名な話だと思いますが、
ミノムシの糸ってもっと強いらしいです。
この糸を使ったミノはミノムシのシェルターです。
カマキリや鳥などが開けようとしてもあきらめてしまう頑丈らしいです。
ミノの中はフェルトのようにふわふわで温度調節の効果もあるみたい。
衣替え実験
ミノムシのミノをとって、衣替えをさせる実験。
挑戦したことはないんですが、有名ですよね。
やり方
1.ミノの材料の準備
毛糸とか折り紙とか、小さく切ってミノにしやすいサイズにしておきます。
2.ミノムシ の確保
ミノムシを連れてきて、やさしくミノを剥ぎます。
ちょっとごめんね。
ハサミでちょっと切れ目を入れて、そこから脱がせるみたい。
ハサミでミノムシを傷つけないように注意です。
3.ミノの材料の中にミノムシ(ミノなしの状態)を投入
ミノを作るのに1~3日くらいかかるみたいです。
作りにくい材質もあるみたいで、ミノを作らないことも。
こんな感じみたいです。
エサ
調べながら気になったことがいくつかあります。
まずはエサ。
ミノムシは葉っぱをむしゃむしゃ食べるけど、衣替えの間エサってどうしてる?
どうやら他の方の実験をみているとエサはあげてないみたい。
数日だし大丈夫なのかな?
エサ(葉っぱ)をあげたら葉っぱでミノ作っちゃうし、実験にならないよね?
ということで、多分エサはなくて大丈夫。
実験が終わったらすぐに葉っぱのあるところに戻してあげるからね。
時期
いつ頃がいいの?
どうやら6月~10月あたりの孵化後~越冬前がいいみたい。
真冬はミノの中で冬眠?してるから、冬にミノを取ってしまうとミノを作る気力がないらしいです。
あまり寒くなったらもう実験はしない方がよさそう。
今なら10月に入ったところだから、ぎりぎりOK?
まだ葉っぱをむしゃむしゃ食べてるミノムシは大丈夫な気がする!
暖かい日に探してやってみようかな~。
まとめ
可愛いミノムシには知らない秘密がいっぱいでした。
命だからみんな大事なんだけど、
切ない生き方を知ったらもっと大事にしないといけないなって思いました。
ムシはやっぱり奥が深いな~。